読書会のテーマの決め方・アイデア集!主催者が使える32事例
テーマを決める読書会

読書会には大きく「課題本型」と「持ち寄り型」があります。
課題本型は1冊の本を共通して読み語り合う形式、持ち寄り型は各自が自由に選んだ本を紹介する形式です。
その中でもテーマ型読書会は持ち寄り型の一種で、特定のテーマに沿って選書する点に特徴があります。
参加者はテーマから本を連想する楽しさがありますが、主催側はテーマ設定に悩みやすいという課題もありますよね。
こちらの記事では、横浜読書会konkonが読書会を成功させるテーマの決め方を解説します。
読書会主催者がテーマを思いつかない時の方法や、そのまま使えるテーマ事例も豊富に載せておりますので、ぜひ最後までお読みください。
読書会テーマの分類:どんなテーマがあるか
抽象的なテーマと具体的なテーマ
感情・内面にフォーカスするタイプ
成長 / 孤独 / 愛 / 幸福 / 不安 / 嫉妬
人間関係にフォーカスするタイプ
家族 / 友情 / 信頼 / 裏切り
情景やモチーフで括るタイプ
春 / 夏 / 海 / 雨 / 夜 / 旅 / 動物 / 祭り
- 物語の展開や出来事で括るタイプ
喪失 / 再生 / 挑戦 / 出会い / 別れ / 変化 - 哲学・価値観に関わるタイプ
自由 / 正義 / 運命 / 時間 / 記憶
具体的なテーマとは、作品の外側の条件で絞るテーマのことです。
一口に具体テーマといっても、いくつかのパターンがあります。
タイトルや言葉で絞るタイプ
タイトルに「色」が入っている本 / タイトルに「動詞」が入っている本 / タイトルに数字が入っている本 / 一単語タイトルの本
見た目やビジュアルで絞るタイプ
表紙に「動物」がいる本 / 特定の色の表紙の本
形式やジャンルで絞るタイプ
短編集 / エッセイ / グラフィックノベル
著者や属性で絞るタイプ
翻訳本 / 著者が30代以下の本
外部評価や話題性で絞るタイプ
映画化されている本 / 受賞作
舞台や設定で絞るタイプ
舞台が日本以外の本 / 学校が舞台の本 / 特定の職業がテーマの本(医者・探偵など)
具体的なテーマの例:
タイトルに「色」が入っている本 / タイトルに「動詞」が入っている本 / 表紙に「動物」がいる本 / 短編集・エッセイなど形式で縛る / 翻訳本 / 著者が30代以下の本 / 映画化されている本 / シリーズものの1作目 / タイトルが一単語の本 / タイトルに数字が入っている本 / 食べ物が出てくる本 / 舞台が日本以外の本 / 学校が舞台の本 / 特定の職業がテーマの本(医者・探偵など)
「語れる抽象性」or「選べる具体性」が大事
私は読書会のテーマを決める上で大切なのは「語れる抽象性」or「選べる具体性」のどちらかを満たしていることが大切だと思っています。
語れる抽象性:テーマが普遍的で、人それぞれの解釈や体験を重ねて話せること
選べる具体性:条件が絞り込みすぎておらず、複数の候補が思い浮かぶこと
良い抽象テーマと失敗しやすい抽象テーマ
特に抽象的なテーマは、「作品テーマとして普遍的、一般的かどうか」を基準に考えると失敗しにくいです。
たとえば「人生」「孤独」「成長」といったテーマは多くの作品に共通しており、自然と選書もしやすく、議論も広がります。
ネットで検索しやすいようなテーマがいいのでは?と思うかもしれませんが、参加者視点で考えると意外と「テーマに沿った本を探す」工程も楽しいという声が多いです。
そのため、「タイトルに〈走る〉が入っている本」というテーマのように、ネットで検索するのは簡単ですが、参加者が自分が紹介したい本の中から該当する本を探すのは難しいというテーマはイマイチです。
「新しく探さないといけない」
「紹介したい本が使えない」
そうなると参加ハードルが上がってしまいます。
一方少し変えて「タイトルに〈動詞〉が入ってる本」にすれば、参加者が自分の本棚の本から探しやすい上に自分の愛読本を新たな視点で見返すきっかけになります。
すぐ見つかるけれど広がらないテーマより、少し考えるけれど発見があるテーマの方が喜ばれることが多いです。
その他の失敗するテーマ例
これまで挙げたもの以外で、読書会のテーマとして避けた方がいいものもあります。
自由すぎて逆に選べない(テーマなし問題)
「好きな本」「最近読んだ本」といった広すぎるテーマは、一見親切ですが、実は最も参加率を下げます。選択肢が無限にあることは、多忙な現代人にとって「選ぶコスト」という高い壁になってしまうからです。
難しすぎてハードルが高いテーマ
読書会のテーマは、初心者でも選びやすくしましょう。
5分考えても本が1冊も思い浮かばない場合、そのテーマは「範囲が狭すぎる(失敗)」です。専門性が高すぎないか、誰もがアクセスできる「緩さ」があるかを常に確認してください。
斬新でユニークなテーマを考える方法

「他の読書会がやっていない面白いテーマにしたい!」という主催者さまへ。
編集・広告・企画職で使われている発想法をベースに、誰でもできる「斬新でユニークな読書会テーマの作り方」をご紹介します。
自分の本棚を、ジャンルではなく読んだときの感覚で見直してみます。
しんどかった本、何度も読み返した本、誰にもすすめたくないけれど好きな本。
こうした分類をしていくと、「読み終わったあと沈む本」や「説明できないけど好きな本」といったテーマが自然に立ち上がってきます。
さらに、感情だけでなく身体感覚に寄せることもできます。
重い本、呼吸が浅くなる本、胸が詰まる本、ざらつく本、音が聞こえるような本。
こうした言い方をすると、言語化しきれていない読書体験にアクセスできます。
個人的な感覚に根ざしたテーマは、他の参加者の記憶も引き出しやすくなります。
既存のジャンルやカテゴリを、そのまま使わないのがポイントです。
ミステリーなら「最後に裏切られる本」、恋愛なら「誰かとの距離が変わる本」、エッセイなら「他人の生活に入り込む本」。
このように、「何が起こるか」で言い換えると、テーマとして機能し始めます。
分類ではなく体験で定義することで、参加者それぞれの解釈が入りやすくなります。
テーマは「どう作るか」ではなく、「どう選ばれるか」から考えることも重要です。
参加者が本棚から選ぶのか、新しく買うのか、それとも記憶から引っ張り出すのか。
この行動を想定すると、テーマの設計はかなりクリアになります。
たとえば、「タイトルに特定の要素が入っているテーマ」は本棚検索型。
「人生で影響を受けた本」は記憶検索型。
「最近気になっているテーマ」は新規探索型になります。
この視点を持つと、「選びやすいテーマ」を意図的に作れるようになります。
「制約」を軸に考える方法もおすすめです。
たとえば、タイトルに動詞が入っている本、海外作家の短編集、映画化されているが原作を読んでいない本。
制約を設ける上で重要なのは、狭すぎないことと、方向が見えることです。
選書する立場で不親切すぎる制約は避けましょう。
意図的にランダムな要素を取り入れるて、連想を広げるやり方もおすすめです。
たとえば辞書を適当に開き、最初に目に飛び込んできた単語をテーマに据えてみます。
「時計」という言葉から、「時間に抗う物語」や「人生の節目」というテーマへ膨らませることができます。
辞書以外にも、ニュース、SNS、広告コピー、図書館、大型ショッピングセンターなどもおすすめです。
上記は、全く新しいテーマをゼロから生み出すための有効な手法ですが、既存のテーマを再解釈したり少しずらすというずるい方法もあります。
例:成功であれば「成功のあとに残るもの」、恋愛であれば「甘くない関係」など。
即戦力!読書会テーマ集(厳選32選)
読書会でそのまま使えるテーマです。
参加ハードルを下げ、「本棚からすぐ選べる」ことを優先して考えたテーマです。
- タイトルに動物が入っている本
- 一文字タイトルの本(例:『火』『罪』など)
- 特定の時代(明治・1980年代など)が舞台の物語
- タイトルに「色」が含まれる本
- 水(海・川・湖)が印象的な本
- 植物・花・木が象徴的な本
- 時間(過去・未来・時計など)が重要な本
- タイトルが一言で終わる本
あえて条件をつける制約を軸にしたテーマの事例です。
- 30歳以下の作家の本
- 翻訳文学
- グラフィックノベル(漫画形式の物語)
- 短編集・アンソロジー
- 群像劇(複数視点)の本
- 作家デビュー作(処女作)
- 1960年代など特定時代の作品
- 文学賞(芥川賞・直木賞など)関連作品
- 続編がある物語
本と読者の体験を繋げたテーマの事例です。
- 人生の軸になった本
- 学生時代に出会った本
- 地元や思い出の場所が出てくる本
- 季節を思い出す本
- 食べ物が印象に残る本
- 旅に出たくなる本
- 海外文学で世界を旅するテーマ
こちらは選書の幅が広くなりやすく、対話が深まりそうなテーマの事例です。
- リテリング(再話)作品
- ジャンル横断の作品
- 魅力的な悪役が出てくる本
- 自分の価値観に揺さぶりをかける本
- 映画化された原作
- カルト的な人気作
- 社会的テーマ(ジェンダー・階級など)で読む本
- 心理スリラー・ミステリー
テーマ型読書会を成功させるコツ

テーマ読書会を成功させるコツは、良いテーマを選ぶことと、参加者の選書基準を否定しないことが大切です。
一見するとテーマにそぐわないような選書でも、参加者に「選んだ理由」を話してもらうと「なるほど!」と悔しいほどに納得することも多々あります。
テーマを決める読書会の面白さは、「正しい選書」を揃えることではなく、解釈のズレや飛躍を共有できることそのものにあります。
そのためにも本紹介の時には、参加者に選書の理由を必ず語ってもらうようにしましょう。
「なぜその本を選んだか」はテーマ型の読書会では、盛り上がるポイントです。
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