第6回好きな本を語ろう読書会

横浜読書会konkon「好きな本を語ろう」の第6回を開催いたしました。
今回は偶然にも参加者の皆さま全員が読書会自体が初参加。読書会デビューにkonkonを選んでいただき、本当にありがとうございます!

紹介された本も、幼少期の懐かしい絵本から、心にそっと寄り添う現代短歌集、熱い情熱に満ちたお仕事小説、そして人間の心理や人生模様を深く描いた小説まで、驚くほどバラエティに富んだラインナップとなりました。

参加者の方からは「自分では手に取らない本や新しい視点に出会えた」「皆さんの本への愛情を感じられて刺激になった」といったお声もいただき、まさに読書の世界が広がっていく瞬間に立ち会えた幸せを感じております。

まずは当日の概要と、皆さまから紹介された素敵な本の一覧をレポートでお届けいたします。
→第6回読書会開催概要

読書会当日の流れ

2026/7/19 (日) 14:00〜16:00
お気に入りの持参ドリンクを片手に、ゆったりとしたスケジュールで進行しました。

  • 自己紹介
  • 本の紹介 1周目
  • 本の紹介 2周目
  • 感想シェア
  • 記念撮影
  • アンケート案内、解散

紹介された本の一覧

第6回好きな本を語ろう読書会で机に並べられた参加者のおすすめ本一覧
  • 『ごちゃまぜカメレオン』 - エリック=カール 作 / やぎた よしこ 訳
  • 『傲慢と善良』 - 辻村深月
  • 『夜のピクニック』 - 恩田陸
  • 『あなたのための短歌集』 - 木下龍也
  • 『水車小屋のネネ』 - 津村記久子
  • 『オール・ノット』 - 柚木麻子
  • 『下町ロケット』 - 池井戸潤
  • 『青い壺』 - 有吉佐和子
  • 『きみが見つける物語』 - 角川文庫編集部 編

本の紹介

【1周目】

1. 『ごちゃまぜカメレオン』

紹介内容:

  • 周りの色に合わせて変化するカメレオンが主人公です。動物園でさまざまな動物たちの素敵な部分に憧れ、体のパーツ(ホッキョクグマの白さ、フラミンゴの羽、象の鼻など)を次々と自分に追加していきます。
  • 最終的に何の生き物かわからない姿になってしまい、お腹が減ってもハエを捕まえられなくなってしまいます。「元の姿に戻りたい」と願って元に戻り、ありのままの自分を肯定するお話です。
  • 大人になって読み返すと、他人の優れた部分だけに惹かれて取り入れようとしても自分らしさを失ってしまうことや、ありのままの自分の良さを大切にする重要性に気づかされる作品です。

対話・深掘り内容:

  • 絵本としての魅力: ページの仕掛け(切り込みやギミック)や、お子様の心に刺さる独特の貼り絵・色彩表現の面白さについて盛り上がりました。
  • 作者について: 『はらぺこあおむし』や『スイミー』などの代表作と作風の違いについて触れられ、貼り絵の繊細な印刷技術が日本で行われていた話などの雑学も交わされました。

2. 『夜のピクニック』

紹介内容:

  • 高校生活の行事「歩行祭(一晩中歩き続ける行事)」の開始から終わりまでを描いた青春群像劇です。
  • スポーツや文化祭のような華やかな大成功を描くのではなく、一見面倒に思えるイベントの中で、夜歩く独特の解放感や記憶の浮上、人間関係の変化や秘められた思いが繊細に言語化されています。
  • 特別な出来事ではなくとも、何気ない時間やみんなで夜を越す時間の尊さを感じられる作品として紹介されました。

対話・深掘り内容:

  • 学生時代の思い出とのリンク: 学生時代の部活動(バドミントン部の外ランニングなど)の辛かった思い出や、当時は嫌だった行事も振り返ると良い思い出になっているという共感性について語り合われました。

3. 『青い壺』

紹介内容:

  • 無名の陶芸家が生み出した1つの「青磁の壺」が、人から人へと受け継がれていく様子を描いた全13話のオムニバス作品です。
  • 壺そのものは変わりませんが、手に取る人(感謝の品、扱いにくい物など)によってその価値や意味が全く異なります。昭和の時代背景とともに人間の葛藤や思い出が映像のように美しく描かれています。
  • 作中の「味覚は教養だ」というフレーズが印象的で、物資が乏しい戦中・戦後でも豊かな工夫で食卓を囲む場面に感銘を受けたとお話しされていました。

対話・深掘り内容:

  • 作品の構造: 1つの「壺」を共通点として持ち主が変わり、物語が繋がっていく構成の面白さや、最後の手放し方・締めくくりの美しさに興味が寄せられました。

4.『きみが見つける物語(恋愛編)』

紹介内容:

  • 10代向けに作られた恋愛にまつわる短編集です。紹介者様が中高生の頃にお小遣いで購入し、帯が切れるまで繰り返し大切に読まれてきた思い入れのある一冊です。
  • 収録作の中から有川浩先生の『幸せはこの子のかたち』を紹介されました。人間関係を拒絶し家に閉じこもっていた大学生の主人公が、住みついた家にいた女性の幽霊や子猫との不思議な共同生活を通して、世界を受け入れる強さを得ていく切なく温かいストーリーです。
  • 分厚い本が苦手な方の読書への入口としてもおすすめできる作品として挙げられました。

対話・深掘り内容:

  • 思春期の読書体験: 10代の心の琴線に触れる本との出会いの尊さや、何度も読み返すことで自分の感性が豊かになる体験について語り合われました。

5.『水車小屋のネネ』

紹介内容:

  • 母親の交際相手からの虐待や家庭環境の崩壊から逃れるため、家を飛び出した18歳の姉と8歳の妹の40年間にわたる軌跡を描いた長編小説です。
  • 住み込みの蕎麦屋で働き始め、言葉を喋るヨウム(鳥)の「ネネ」や周囲の心優しい人々の小さな親切に助けられながら成長し、やがて自分たちも次世代を助ける側になっていく連鎖が描かれています。
  • 「誰かに親切にしなきゃ人生は長くて退屈なもの」という作中の言葉通り、面倒くさがって距離を置くのではなく、人と関わり助け合うことの価値を感じさせる作品です。

対話・深掘り内容:

  • 読書と自己保持: 作中で妹が「読書に面倒を見てもらった」と語る場面に対し、本を読むことで一人でも自分を保っていられる読書好きの強みや価値観について深く共感し合いました。
  • 長尺の人生を描く魅力: 10年単位で時間が進むことで当時の悩みが解決して俯瞰できる心地よさや、ヨウム(鳥)の長寿命(40〜60年)に関する話題で盛り上がりました。

【2周目】

1.『あなたのための短歌集』

紹介内容:

  • 読者から寄せられた「お題」や悩みの問いかけに対して、著者が1つずつ短歌を詠んで答えるという形式の短歌集です。
  • 「老犬との別れの怖さ」に対する短歌(「愛された犬は来世で風となり…」)や、「実家に帰る日のバナナ」の短歌など、贈る相手の背景が見えるからこそ言葉の優しさや深みが胸に刺さります。
  • 短歌に馴染みがない方でも親しみやすく、世界の解像度や捉え方を豊かにしてくれる作品として紹介されました。

対話・深掘り内容:

  • 言葉の表現力: 恋愛や家族愛、お仕事の悩みなど、複雑な感情をわずか31文字で絶妙に言語化する表現力に感銘を受けられていました。
  • 現代短歌の自由さ: 季語などの厳しいルールに縛られず、現代の言葉で素直に表現する短歌の親しみやすさについて意見が交わされました。

2.『オール・ノット』

紹介内容:

  • 貧困や奨学金問題、ジェンダー、性被害、雇用(正規・非正規)など、生きづらさを抱える人々の複雑な問題を盛り込んだ小説です。
  • タイトルの「オールノット」とは、真珠のネックレスを組む際に真珠同士の間に結び目をつくる技法(糸が切れてもバラバラにならない、摩擦を防ぐ)のことです。
  • 負の連鎖や困難が一つ解けても他が繋がっている現実を示しつつも、「切れても一気に崩壊しない」「失敗してもいい、余白があっていい」という救いや寄り添いを与える作品として紹介されました。

対話・深掘り内容:

  • 現代社会の問題の連鎖: 貧困やジェンダー問題は単体ではなく複合的に絡み合っているというリアリティと、技法名の「オールノット」が持つ重層的な解釈(ネガティブな連鎖とポジティブな救い)について話し合われました。

3.『下町ロケット』

紹介内容:

  • ロケット部品の開発を行う中小企業「佃製作所」の誇りと闘いを描いたお仕事小説です。
  • 資金難や大手企業からの理不尽な圧力を受ける中、誇りを持った技術者と営業マンが一丸となり、徹夜で完璧な資料を準備して見返していく熱い展開が見どころです。
  • 効率や個人のキャリアアップ(転職)が重視される現代において、「自分の会社や仕事に誇りを持って熱く働く」という姿に胸を打たれるとお話しされていました。

対話・深掘り内容:

  • 愛社精神と誇り: 単なる「効率」や「年収アップ」だけではない、仲間と共に誇りを持って働く熱量への憧れや、理不尽な壁を乗り越える痛快さについて共感が集まりました。

4.『傲慢と善良』

紹介内容:

  • 婚約者の女性(まみ)が突然失踪し、主人公(かける)が彼女の過去や実家(群馬)の旧友を訪ねていくうちに、彼女の本当の姿と向き合っていくミステリー・人間ドラマです。
  • 「おとなしくて善良」に見えた女性の内に秘められた「傲慢さ(自己評価の高さや他者への品定め)」や、親子の過干渉・共依存、田舎特有の価値観やコンプレックスが見事に描写されています。
  • 婚活における「謙虚に見えて自分につける値段(条件)が高い」という現代人の心理構造を突いた作品として紹介されました。

対話・深掘り内容:

  • 男女の視点ギャップと心理描写: 男性には見抜けず「いい子」に見える女性の本性を、女友達が鋭く見抜いて辛辣に批評するリアルな会話劇に深く共感されていました。
  • 自己評価と傲慢さ: 誰しもが持っている「傲慢と善良」の二面性や、条件に縛られて素直になれない婚活の難しさについて活発な意見交換が行われました。

特に読んでみたいと思った本

参加者さまが選んだ特に読んでみたいと思った本についてご紹介します。

あなたのための短歌集

右側にお題があり左側に短歌がある構成で理解しやすく、また短歌という制限された文字数の中の洗練された言葉運びに興味があります。

青い壺

一つの道具や壺などの物を巡って所有者や時代が変遷していく話が好きなので、読んでみたいと思った。

青い壺 / 水車小屋のネネ

ひとつのモノをめぐる物語が好きだから。壺の運命を知りたくなりました。/帯に書いてあった「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」というセリフに共感しました。

青い壺 / 傲慢と善良

ある壺をテーマにいろいろな視点から描かれる物語にすごく惹かれました。/読んだことがある方が多くいらっしゃって「読んだら凹みそうだな…」と思いました笑 感想をシェアしたいです。

参加者さまのご感想

読書会自体初めてでしたが、同性だけと分かっていたので安心して参加できました。参加された方それぞれのジャンルが違うので、今まで興味なかった本でも「読んでみよう!」と思わせてくれました。
お気に入りの本について語りたい方も新しいジャンルを開拓したい方も楽しめる会でした!

初めての読書会で緊張していましたが、栞さんの雰囲気でほんわかした会になり楽しくすごすことが出来ました。
参加された方も優しくそれぞれの本への想いを聞けて有意義な時間でした。

好きな本について話したり聞いたりする時間が楽しくて、あっという間に終わってしまいました。
本の話題が楽しいのはもちろんのこと、本を通して、ご紹介してくださった方の人となりも感じられるところが読書会の面白いところだと感じました。
また参加させていただきたいです。ありがとうございました!

普段から本についての話は家族としかすることがなかったので、大人になってから、どの本が面白いとか面白かったとか本好きな人たちと話し合うことができて単純に楽しかった。世の中本を全く読まない人もいるし、読んでもハウツー本やベストセラーだけのような人もいる。
でもわざわざ読書会に来るような人々は間違いなく日常生活に読書が欠かせない人だと思うしその様な方々と話せる機会が得られて嬉しかった。

主催者より

会場のホワイトボードに展示された主催者の推し本コーナー(絵本・児童書)

今回は、会場のホワイトボードに主宰の推し本コーナー「絵本・児童書 ver.」として、子供の頃から大好きな本たち(『こんとあき』や『100まんびきのねこ』など)を並べさせていただきました。

終了後のアンケートでも、「本を通して紹介してくださった方の人となりを感じられた」「大人になってから本好き同士で自由に語り合える時間が本当に楽しかった」「女性限定だったので安心して参加できた」などなど…そんな温かいお言葉をたくさんいただき、私自身も胸がいっぱいです。

この場所が、皆さまにとっての心地よい「サードプレイス」であり続けられるよう、これからも穏やかに、楽しく開催していきたいと思います。またいつでも、遊びに来てくださいね。

次回第7回「好きな本を語ろう!」読書会のお知らせ

  • 開催日:2026年8月16日(日)
  • 募集開始:2026年7月29日(水)20:00~
  • お申し込み:Peatixより受付いたします。

参加者さまのお声

ご参加いただき、ありがとうございました!

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